2020.07月号
建設業者が知っておくべき労務対策

住宅建築業界でも労務のコンプライアンスが重要に!
建設業界では、今、社内の建築士や現場監督不足、新卒採用の困難など、社内の人材確保策に悩む住宅会社も多いのではないかと思います。また、「ホワイト工務店」という言葉も生まれ、これまで残業代の支払いなど実施せず、労働関連法規を遵守してこなかった住宅会社にも非難の矢が向けられています。このような現状にある今、住宅業界全般的に労働関係法規に向き合わなければならない状況が発生しています。
職人においても労働安全衛生対策を軽視することは重大リスクにつながる!
建設業界においては、労務関連問題の一つとして、労災事故も頻繁に問題となってきます。労災事故に関しては、基本的に、当該現場を取り仕切る元請業者が責任を負うことになってきますが、いざ労災事故が発生した際には、その他の下請業者等にも責任追及が及ぶことがあります。
例えば、当事務所において取り扱った事件においても、玉掛作業中にベルトスリングが破断して作業者が死亡するという労災事故が発生した事案において、当該作業に従事していた玉掛作業者(個人の職人)に対しても責任追及がなされ、結果として当該職人が数百万円の賠償金の負担をすることになった案件もありました。
このように、労働安全衛生対策を含めた労務対策については、元請業者に限らず、下請等として仕事をする職人にも無視できない事項といえます。そこで、当事務所では、建設業界の皆様に役立てるべく、これまでに寄せられた労務関係の法律相談事例を整理・解説する書籍を発刊しました。
皆様におかれましては、是非、当該書籍をご購入いただき、日々の業務のご参考にしていただければと思います。また、労務に関する問題は特に事前の対策が重要になってきますので、何かお悩み等がありましたら、早期に当事務所までご相談いただければと思います。
